敷地は筑波山中腹の梅林頂上に位置する。
 筑波山は万葉の古来より多くの歌に詠まれ続ける景勝地であり、「筑波富士相合傘」の題目で浮世絵に残されていることからもわかるように、富士山と並ぶ関東一円のシンボルである。

 設計初期段階より茅葺屋根を採用し、周辺の梅や山つつじ、萩などの樹木と筑波石とのコントラストによる“万葉”のイメージの創出がテーマとなった。
 敷地が急斜面であることや法的問題、万葉のコンセプトより構造は木造とし、斜面に迫り出す清水の舞台のような形状とした。そしてその軸線を西の雄である富士山を望む方向にむけた。
 また、大小二つのボリュームからなる建築構成は、筑波山に言い伝えられる「雌雄合体」の伝説を模している。

 眼下を眺めれば、美しいつくばの田園風景が広がる。展望台へ進めば富士に望み、敷地正面には古墳と思われる小高く丸い丘がある。

 万葉の古来から現代まで。

 この建物が、只の展望茶屋ではなく、脈々と連なってきたこの土地の文化を感じ取るための舞台として存在して欲しいというメッセージを込め、「富士見舞台(仮称)」と名付けた。


建設地:茨城県つくば市
2002年2月竣工


筑波山梅林展望茶屋